築地で世界のお祝い料理を楽しむ会第4回南インドのお祝い“ポンガル”報告 ジュガールな時間
築地で世界のお祝い料理を楽しむ会、今回も楽しく終了しました。
前回のブログにも書いたとおり、南インドはタミール・ナードゥ州のお祭り“ポンガル”をお祝いし、名前の由来にもなっている粥「ポンガル」や、加えて南インドのべジ料理の数々も教えてもらおうという内容の濃いものでした。
それにしても、このイベントをやってきて感心するのは講師の皆さんのその国に対する深い理解と愛情で、それぞれに熱のこもった紹介をしてくださるので、それが毎回心に刺さります。いろんな角度からさされるのでとっても刺激になります。
武田さんは今回はソロで教授してくださいましたが、普段はマサラワーラーというインド料理ユニットで活躍しており銅板画家でもあります。
マサラワーラーとして料理とトークの場数をかなり踏んでおられるので、熟練のエンターテイナートークと手際の良さで皆さんを楽しませつつ、かずかずの南インド料理を教えていただけました。
用意も整ってきて、、
開講です!
今回教えて頂いたレシピはなんと最多の8つ。
そのメニューの数々をご紹介しましょう。
まずはヴェンポンガル。マッシュしたムングダール(豆)と米の粥。豆が入ると日本の粥とこんなに変わると驚き。
サッカライポンガル。今日の主役、ポンガルのお祝いで食べる甘いリッチな粥。インドの土鍋で炊きましたが、土鍋可愛いです!甘い粥というと驚く人も多いですが意外と世界中にありますね。とても美味しかった!
ポンガルが吹きこぼれた瞬間掛け声をかける。「ポンガロー、ポンガル!!」
カーラチャトニ作り中。トマトと玉ねぎのチャトニです。
ココナッツチャトニ。 スパイスやトウガラシをテンパリングして加える。
コリアンダーチャトニ。コリアンダー(パクチー)のチャトニ。カーラチャトニとココナッツチャトニも加えてインドの国旗の3色チャトニになりました!
サーンバール インドの味噌汁的な汁物。ヴェンポンガルにかけて混ぜて食べました。
ポディ インドのふりかけ。豆やピーナッツ、カレーリーフ、スパイス類を炒めてミキサーにかけ粉にする。家でも作ってみたいナンバーワンでした。日本のご飯にも合いそう!
そして南インドスパイスのことも色々レクチャー受けました。
最後は揚げ物メドゥ・ワダ。ウラドダール(豆)のペーストで揚げる甘くないスナック。ふわふわ食感!
揚げる直前に手で穴を開けるの結構むずかしかったです。
タネを入れるのもコツあり。
手分けして揚げました。揚げ終わったら待望の試食タイムです!
給食みたいに並んで盛り付けしてもらいます。
じゃーん!!完成。左からポディ、ヴェンポンガルと上に乗せたメドゥ・ワダ、3色チャトニ、サッカライポンガル、サーンバール。
皆さまお疲れ様でした。
さてその後は試食しながら動画を見てポンガルのお話を聞きました。
ポンガルは日本の小正月と時期がかぶっており、日本は小豆粥(豆入り甘い粥)、南インドはサッカライポンガル(豆ペースト入り甘い粥)という共通点があり、とんど焼きに似た風習があり、さらにサトウキビを日本の門松のように戸口に飾る習慣もあるなど、何かつながりがあるのかなと思わせる多数の共通点があって印象深いです。それと祭りの二日目の人間と牛とのファイトもすごい!圧倒的に牛が強いそうですがそりゃ体の大きさからいってもそうですよね。優勝者の商品がロッカーとかベッドのお持ち帰りという常識の斜め上いく感じ、インドらしくて面白いです。
おしえて頂いたレシピ8つのうちどれが美味しかったかと言って、どれと決めることができない位美味しかったのですが、今回のメインでもある“ポンガル”は私の好きな粥料理でもあり、興味津々でした。
豆のペースト入りなので米だけでつくる日本の粥と違ってお腹に満足感をもたらしてくれます。米の炭水化物と豆のたんぱく質で栄養的にも良いし、そこにさらに野菜を煮込んだサーンバールをかけるとバランスばっちり。揚げ物のメドゥ・ワダも乗せると油のコクも加わってさらにいけるのですが、なんと今回のメニューすべてべジなんです。それでこれだけ満足感がうまれるのはやっぱり南インド料理の奥深さだなぁと感じました。でも武田さんに言わせると南インド料理はヘルシーではない!そうです。
これら数々の料理をまさにフル回転でおしえて頂いたのですが、武田さんのお話で印象に残ったのがインドの「ジュガール(Jugaad)」。
この言葉の意味は「そのへんのものでなんとかする」というもので、武田さんはまさに「今これがないからこうしますー!」と実践ジュガールされてた(笑)わけですが、なんというか、インド的なものに触れたときのあるあるかもしれませんが、そういう言葉は気持ちが軽くなりますね。今のこの社会の息苦しさって誰でも多かれ少なかれ感じるところがあって、でもこの世間に生きている以上しょうがないのだという意識から逃れられない面がありますが、いやいや、こうでなきゃいけないという事はないんだと思わせてもらえる。インドのお話を伺うとそういう柔軟さは強さでもあるんだとしみじみ感じたのでした。
私はやはり、こうあるべき!というあまりにも硬直した取り決めやものごとには窮屈を感じてしまう方なので、地域から地域へと伝播していく在り方からしてボーダーレスの最たるもので、本来自由である料理はジュガールジュガールで発展してきたのだろうと思い、武田さんの話を聞きながら、ジュガール(Jugaad)良いね、と刺さりまくっていたのでした。
そういう価値観を実感できるのが、各国料理イベントの醍醐味とも思います。ジュガールは沖縄の「なんくるないさ」やフランスの「ケセラセラ」ともまたちょっと違う「なんとかするのだー!」という明るい力強い前向きさで励まされます。武田さんからもそういうインドマインドを大いに感じた時間でした。
こんなに教えて頂いたのに当初の打合せでは「メニュー地味かも。」などと言ってしまい(笑)本当に申し訳なかったです!!!
参加者の皆さま、武田さん、ありがとうございました!
次回は2月21日(火)スペインバレンシアの火祭りのパエリアです。バレンシアのママの味、塩豚とバターナッツのパエリアに、屋台のてっぱん菓子“かぼちゃのブニュエロ”、おじやの語源ともいわれる肉と野菜の煮込み“オジャ”をいただきましょう!
こちらは募集が始まったばかりです。
皆さまのご参加をお待ちしております!お楽しみに。