「夏至祭を祝う!ミッドサマーチーズとビーツのスープ、黒パンのサラダ」築地で世界のお祝い料理を楽しむ会第7回ラトビアを開催しました。
まだ梅雨明け前というのに溶けるほど暑いですね・・。
無防備に外を歩くとジュージュー焼けて目玉焼きになりそうです。
冗談じゃなく熱中症には皆さん、気をつけましょう。
さて料理会の日も朝から太陽燦燦でしたが、今回のお祝い料理の国はラトビア(バルト三国)。北ヨーロッパの涼しい国なので少し涼を呼べる気がしました。
講師は私が務めさせていただきました。
前回のブログにも書いたのですが、そもそもこの世界のお祝い料理の企画は2014年にラトビアの夏至祭りに行ったことがはじまりなのです。
北ヨーロッパ各国の夏至祭りは、現在ではキリスト教的なお祝いになっている場合も多いようです。ただラトビアでは元々はバルト神話の太陽神のお祭りであった古い歴史があって、夏至を祝うイコール太陽を祝うという影響が残っているように感じました。太陽を祝うというのは全人類的に理屈抜き(?)つよく共感できるものがあります。すべての恵みの源で自然の頂点にいるのは太陽ですからね!
太陽を祝い、また、この日を境に日が短くなっていくことを惜しむ気持ちもあるというのを旅行中にラトビア人に聞いてさらに共感したのです。
そんなラトビアの夏至の日のお祝いはどういうものか、どんなふうに過ごして何か特別なものを食べるのか知りたいと思いぎりぎりの日程を組み、まさに夏至の日当日にラトビアのリガ空港に降り立ったのでした・・。
旅行記はまた別の話なので、たしか過去のブログでも書いていますのでご興味ある方はぜひ読んでみてください。
さて、料理会では皆さんにラトビアの夏至祭りの特別なチーズをご紹介しました。
これは“ミッドサマーチーズ(midsummercheese)”というフレッシュチーズで、名前のとおり夏至祭りの日に食べられるものです。ラトビア以外で食べられているのか詳しくは分かりませんが、少なくともエストニア、リトアニアでは見かけませんでした。
どうしてラトビアではこのチーズを夏至の日に作って食べるようになったのか、その起源については今後の課題として探ってみたいと思います。
料理会では早速このチーズ作りから取りかかりました。
材料はカード(凝乳)、牛乳、この二つがなくてはならないのですが、カードは牛乳からつくるのでとりあえず何はなくとも沢山の牛乳が必要です。
カードと牛乳を合わせてレモンの酸でホエイを分離させて、残ったカードに卵、バター、サワークリーム、塩、キャラウェイを混ぜて布で漉し脱水し固めて出来上がりです。
ラトビアでは民族衣装を着た女性が戸外でつくっていました。黒パンに乗せて食べましたが格別に美味しかったです。
日本ではカード(凝乳)が市販されていないので多少本場のものと違ってもカッテージチーズで代用するか、もしくは自作のカードを作るかです。手間はかかりますがこういうものこそ大人数でつくると楽しいですね!
次はビーツのピンクがきれいなリトアニアのスープ“シャルティバルシチェイ”。
もちろんラトビアでも食べています。
卵の黄色ときゅうり、青ネギの緑が相まって綺麗ですよね?これを映えといわずになにが映えという鮮やかさだし、火を使わないでつくれるのが日本の夏にもピッタリだと思います。味も最高!
ヨーグルトでも作れますが今回は本場の味を再現したくてケフィア菌をネットで購入し前もってケフィアを3リットル仕込みました。
あと2品、黒パンのメニューを紹介しました。
黒パン(ライ麦パン)は主に北ヨーロッパで食べられているパンで、発酵にサワードウを使うので酸味があるのが特徴です。しっかりした目の詰まった密なパンで白いパンにはない味わいがあります。食物繊維、ビタミン・ミネラルも豊富でとてもヘルシーなパンです。
日が経ち硬くなったあとはサラダやお菓子、スープの材料にしたり、麦芽や酵母で発酵させて発酵清涼飲料の元になったりもします。余すことなく食べる生活の知恵がつまった黒パン、とっても良いですよね。
黒パンのサラダは黒パンを大き目のガーリッククルトンにして、マヨネーズとヨーグルトのソースでゆで卵やトマトと和えるサラダで、これ1つでブランチ的な1品にもなるという優れものです。
こちらはルバーブジャムと生クリームと黒パン粉を層にしたデザート。
ラトビア版トライフル(イギリスのお菓子、スポンジ生地とフルーツなどを層にしたもの)といった感じですが、スポンジ生地の部分は黒パン粉を使います。スポンジを焼かなくてよい手軽さがおススメ。市販の黒パンをブレンダーでパン粉にして使います。今回はルバーブジャムと合わせましたが酸味のある果物のジャムやコンポートがよく合います。
そんなわけで、デモンストレーションや皆さんと実際に手を動かしながら4品を完成させました!
食事をしながら2014年に体験したラトビア夏至祭りの動画を皆さんと視聴しました。
リガから電車で30分位のツェーシスという街の“ヤーニスの丘”で撮りました。古代の夏至祭りを再現しているそうです。眠気と疲れで立ち寝しそうになりながら撮った映像を妹に協力してもらって1本の動画にしたものです。
最後に参加者の方の感想をいくつかご紹介させてください。
「お料理だけにとどまらずラトビアの紹介ビデオの拝聴、また、他の参加者との交流が出来とても充実した時間でした、素敵な催しをありがとうございます。」
「珍しいお料理をわかりやすく説明、準備もたくさんしてくださいました。少し私達が実習できるのも楽しかった。」
「デモンストレーションと実践のバランスが良く、設備も非常に整っていて、ラトビアの映像も楽しめました。」
嬉しい感想をありがとうございます!!皆さんの声を励みにまた頑張ります。
ご参加の皆さまありがとうございました。
次は時期未定ですが、真夏の暑さを過ぎる頃にまた皆さんとお会いしたいと思います。
どうぞお楽しみに!!